以下のコラムは「ゼロ金利の終焉(しゅうえん)」に関するハード・オン・ザ・ストリートのシリーズ第五弾。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが始まると、新興国が厳しい状況に逆戻りし始めることがよくある。例えば、借り入れコストの上昇や自国通貨の下落に見舞われる。追い打ちをかけるように、米経済の成長減速によって自国製品の需要が鈍る。ゼロ金利時代が終わろうとしている今、やはりまた同じような展開になるのだろうか。まだはっきりしない要素が多い(特に原油相場の見通しとウクライナ戦争)ものの、現時点で考えられることをいくつか挙げてみたい。まず、1990年代終盤の韓国や2015年末の中国のように、FRBの過去の利上げ局面で圧力にさらされた新興経済大国の一部は、今や衝撃吸収力が格段に高まっているように見える。原油やガスを大量に輸入し多額の対外債務を抱える国は、避けた方が良さそうだ。もっとも、この点で深刻な状況にある国、特にトルコとアルゼンチンは、すでに外国人投資家のブラックリストに刻み込まれている。