ロシア軍が撤退した後のキーウ(キエフ)郊外のブチャでは、大虐殺の惨状と廃墟と化した町の姿がこの週末、人々の目にさらされた。それは恐怖映画の1場面のようだった。路上には非武装の民間人の遺体が横たわっていた。遺体の一部は、後ろから頭部を銃撃されていたと伝えられている。処刑されたとみられる遺体もあった。これらは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による侵略が残したむごたらしい遺産だ。ウクライナ征服を目指す彼の戦争が続く限り、世界が想定しておくべき状況の一端だ。ブチャに侵攻していたロシア軍の最後の部隊が4月1日に撤退した後で、西側諸国のジャーナリストらは、ブチャの破壊状況をその目で確認することができた。多方面からの進軍によってキーウを包囲する戦略の一環として、ロシアの戦車部隊がブチャの町を通過した。同部隊は、ウクライナ側の激しい抵抗に遭って動きを止めた。しかし、その過程で同部隊は、町の大半を廃墟にし、明白な証拠が示すように、逃げ場を失った市民を殺害した。
【社説】プーチン氏の「戦略的敗北」ではない
領土拡張を認める停戦で決着すれば、ロシアは将来も脅威であり続ける
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