食料・燃料価格の急上昇を受けて、世界各国で政府に消費者支援を求める圧力が高まっている。各国の脆弱(ぜいじゃく)な財政はさらにひっ迫し、経済的に最も不安定な国々では政情不安が強まっている。タイのバンコクからイタリアのシチリア島に至るまで各地で抗議行動が起きており、その影響を懸念した各国政府は、物価の急上昇から家計と企業を守るための補助金支給や減税に動いている。しかしこうした支援策は、借り入れコストが上昇する中、すでに高水準にある政府債務をさらに拡大させている。一部の国は負担に耐えられなくなる可能性があり、政情不安の懸念が高まっている。独コメルツ銀行のチーフエコノミスト、ヨルグ・クレーマー氏によれば、補助金は「短期的には消費者の景気信頼感の支えになるかもしれないが、経済の健全な調整の妨げにもなる」。企業と消費者が経済の変化に適応するのを妨げるためだという。
インフレと闘う世界、政府債務が急増
政府補助金は燃料や食料の高騰を巡る抗議行動を抑えるのに役立つが、財政的に脆弱な国は負担に耐えられなくなる可能性も
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