米国株式市場から追放されるリスクにさらされている中国企業の一部が、上場を維持する方策を見いだした。中国当局も、長らく米政府との間で火種になっていた会計監査問題の解決に向けて本腰を入れつつある。カナダのコーヒーチェーン、ティム・ホートンズの中国フランチャイズ、ティムズ・チャイナやバイオテクノロジーの百済神州(ベイジーン)などは、監査記録の米規制当局への全面開示を義務づけた新法を順守する準備を進めている。具体的には、米国を拠点とする会計監査事務所をプリンシパル審査員として起用する方針だ。内情に詳しい関係筋への取材や提出書類から分かった。これにより、米国で昨年施行された「外国企業説明責任法(HFCAA)」を順守できる可能性がある。同法では、米国の監査当局である米公開会社会計監査委員会(PCAOB)による検査が3年連続でできなかった監査人を起用している企業について、米市場の上場を禁じている。