3月9日に『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』を出版した株式会社じげん代表取締役社長の平尾丈氏。25歳で社長、30歳でマザーズ上場、35歳で東証一部へ上場し、創業以来12期連続で増収増益を達成した気鋭の起業家だ。
そんな平尾氏が「ミスター別解力」と呼ぶのが株式会社グッドパッチ代表取締役CEOの土屋尚史氏。2011年の創業以来、Gunosyやマネーフォワードなど数々のスタートアップのUX/UIデザインを手がけてきた。急成長による組織崩壊を乗り越え、2020年にはデザイン会社として初となる東証マザーズへの上場を果たしている。
不確実性が高く、前例や正攻法に頼れない時代。そのなかで圧倒的な成果を出しているおふたりに「起業家の思考法」について語っていただいた。
連載第3回は、「自分の能力は高くない」と述べる土屋氏が上場を果たせた秘密を教えてもらった。
（写真 株式会社じげん・津田咲 構成 林拓馬）
「優れたやり方」は本から学んだ
平尾丈（以下、平尾）：土屋さんが出される別解の数が凄いですね。幅もとても広いですし、深いと思います。すべてが考え抜かれていますよね。そういう感じは出さないタイプだと思ってたんですけれど。
土屋尚史（以下、土屋）：そうですね。舐められた方がいいと思ってるんですよ。
ーー舐められるような雰囲気をわざとつくるんですか？
土屋：どうなんですかね。でも、そもそも自分自身が優れた人間ではないという前提に立っています。大学中退で踏み外すし、その後働いたのも有名な会社じゃないですし。リクルートとか落ちてますし。キャリアが全然積み上がってないんです。
平尾：でも、別解力のベン図でいうと「優れたやり方」も大事にされていますよね。その要素はどこで勉強されているんですか？
土屋：「優れたやり方」は本から学んでいると思います。わりと読書家の方だとは思いますね。とくに20代の時に結構読んでいる気がします。
僕は起業家が好きなので孫正義さんとか三木谷さんの伝記は読んでいますし、『社長失格』とか『V字回復の経営』なども読んでいました。
勉強してるというより、好きだからインプットしてる感じです。
土屋尚史（つちや・なおふみ）グッドパッチ 代表取締役CEO
1983年生まれ。サンフランシスコに渡り海外進出支援などを経験した後、2011年9月に株式会社グッドパッチを設立し代表取締役社長/CEOに就任。UI/UXデザインを中心に、スタートアップから大手企業まで数々の企業サービスのデザインを手がける。自社でもデザイナー向けキャリア支援サービス「ReDesigner」やクラウド型ワークスペースツール「Strap（ストラップ）」など数多くのサービスを立ち上げる。2020年6月には東証マザーズ市場への上場も果たした。
