1987年、シアトルのコーヒーチェーン店スターバックスを買収したハワード・シュルツ氏は、エスプレッソを飲みながらくつろげるイタリアンスタイルのカフェを何万軒もオープンさせようと思い描いた。家と会社の間の「サードプレイス(第三の場所)」を創造する構想だった。そのビジョンは米国の消費文化に大きな足跡を残した。現在68歳のシュルツ氏は、スターバックスに舞い戻っている。3度目の最高経営責任者(CEO)としての復帰だが、2017年に退任した時からスターバックスは一変した。注文の約7割は持ち帰り用で、同社が多くの時間とコストを費やして作り上げた店内に顧客はとどまらない。そして顧客の多くは、手作りのエスプレッソではなく、複雑なアイスドリンクを求めている。