欧州高級ブランドはこれまで、コロナ禍とインフレの影響をかわしてきた。だが、流行の移ろいやすさは、こうしたブランドの足をすくう力を持っている。グッチの親会社ケリングの22日の株価は、前日発表された四半期決算に対する反応から、約5%安となった。1-3月期の売上高は前年同期比21%増加した。しかし、ケリングにとって売上高と利益の両面で最重要ブランドであるグッチは、アジア太平洋地域の売上高が6%減少したことから、中国での人気に陰りが出ていることがうかがえる。同社経営陣はこの原因として、中国本土で新型コロナウイルス感染症対策のロックダウン(都市封鎖)が再び実施されたことを挙げた。だが中国本土では、グッチ店舗の10分の1が、1-3月期のうちの1カ月間閉鎖されただけだった。ケリングで2番目に規模が大きいブランド、サンローランは中国の顧客へのへの依存度はやや低いものの、アジアでの売上高が15%増を達成している。