圧倒的1位はトスネット
平均年収は226.1万円
勤続年数や年齢に応じて給与が上がる「年功序列」の賃金体系の会社は、いまだに多い。
だが、中には社員の平均年齢が比較的高いにもかかわらず、日本の給与所得者の平均年収である433万円(2020年実績、国税庁調べ)を下回る企業も少なからず存在する。
そこで今回は、従業員の平均年齢が40代前半の上場企業を対象に「年収が低い会社」のランキングを作成した。
対象期間は原則として20年4月~21年3月期(一部、決算期が異なる企業を含む)。単体の従業員数が100人未満の会社は除外した。
それでは早速、ランキングを確認していこう。
1位は、宮城県仙台市に本社を置く警備会社のトスネット。2位を約100万円も下回り、平均年収は226.1万円だった(従業員数156人、平均年齢43.3歳)。
トスネットは東北地方を中心に、工事現場での交通誘導、イベント会場やホテルの警備、鉄道関連工事の現場での列車の見張りなどを手掛けている企業だ。
分析対象とした20年9月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でコンサートやイベントが軒並み中止となり、警備の案件が激減した時期である。
トスネットは黒字こそ死守したものの、営業利益は前年同期比54.9%減、最終利益は同49.5%減と低迷。業態が労働集約型であり、業界全体で給与水準が決して高いとはいえない中、平均年収は前期の262.4万円(同148人、43.7歳)からさらにダウンした。
一方、足元では挽回の兆しも見えつつある。国内のコロナウイルスのワクチン接種が進み、コンサートなどの開催数が持ち直した21年9月期は、営業利益・最終利益ともに前期比で70%以上伸びた。また、平均年収も267.8万円(同152人、42.1歳)にまで回復している。