ロシアの富を象徴する存在がここにきてウクライナ侵攻の代償を身にしみて感じている。モスクワ中心部「赤の広場」でクレムリンの向かい側にそびえる創業120年の高級百貨店グム(GUM)。かつてはプラダやカルティエ、ディオール、グッチ、ルイヴィトンなど西側の高級ブランドがひしめき、ロシア富裕層や外国人観光客を吸い寄せてきた。ところが、ウクライナ侵攻を受けた西側の対ロ制裁で、欧米の高級ブランド数百店舗がロシア全土で営業を停止。グムを含め高級小売店から次々と姿を消した。ロシアで最も有名なショッピングモールであるグムは、高級サービス分野でモスクワが欧米諸国の首都に肩を並べる存在であることを誇示してきた。だが、足元の変容ぶりは、ロシアが世界経済からいかに孤立を深めているかを如実に物語っている。
欧米ブランドが消えた百貨店、ロシアの孤立象徴
どの店舗も陳列商品はまばらでマネキンも減った
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