喫煙者はメンソールたばこの禁止について、もし明らかな代替品があるなら、より良い反応を示すかもしれない。たばこ会社にも同じことが言える。米食品医薬品局(FDA)は国内市場からメンソールたばこを排除したい考えだ。4月末の声明で、メンソールたばこはニコチンの中毒性を助長する恐れがあり、禁煙がより難しいと指摘している。米国のたばこ市場にメンソールの占める割合は全体の約3分の1と非常に大きい。一方、欧州連合(EU)では、メンソールを禁止した2020年の同割合はわずか7%だった。とりわけ、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)にとってはもうかる分野だ。米国でのメンソールたばこ販売から、グループ全体の営業利益の3割を稼ぎ出していると推定される。アルトリア・グループのメンソールブランドは営業利益の約2割を占めている。