新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が続く上海では、数千万人の市民が1カ月半にわたり屋内に閉じ込められている。同時に、この中国で最も裕福な都市では、数千人が路上生活を送るという全く正反対の立場に置かれている。新たにホームレスとなった人の多くは農村部や中小都市から移住してきた労働者で、彼らもまた、ほとんどの市民を自宅隔離状態にした厳格な新型コロナ規制の被害者だ。彼らはこれまで、他の労働者とアパートをシェアしながらその日暮らしをすることが多かった。こうした労働者の多くを雇用する企業はロックダウン中に閉鎖され、社員寮も封鎖された。一部の労働者は、自転車やスクーターで上海市内を移動する料理宅配サービスの数万人の配達員に加わった。料理宅配サービスの運営会社には、美団や電子商取引最大手アリババグループ・ホールディング傘下の餓了麼(ウーラマ、Ele.me)がある。