資源・穀物価格は上昇一服
輸出・生産は回復基調へ
こうした中、懸念されるのが、ウクライナ危機に伴う資源・穀物価格の上昇の景気下押しといえるが、何とか持ちこたえ、景気の底割れは避けられることになりそうだ。
原油価格(WTI先物価格)は、3月上旬に1バレル=130ドル台を一時記録したが、その後は下げているなど、資源、穀物価格の一段の上昇には、歯止めがかかった格好になっている。
資源・穀物価格の上昇は、エネルギーや食品価格などの上昇を通じ、企業収益を圧迫し、家計の実質的な購買力を削ぐ。しかし、資源・穀物価格の一段の上昇に歯止めがかかっていることで、景気下押し圧力も限界的には弱まってくることになる。
一方で、世界経済の回復は続くと見込まれる。多くの国・地域で、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための制限措置が緩和されており、経済活動の正常化の動きが広がっている。
部品の供給制約の緩和が続き、これに伴う生産下押しも小さくなってくることも予想される。自動車生産は、半導体、組み電線などの供給制約で21年夏場から秋にかけて大きく落ち込んだが、部品供給基地である東南アジアの制限措置は緩和されている。なお影響は残るものの、国内の自動車生産は拡大基調にあり、自動車メーカーの生産計画をみると、夏場にかけて大幅増産が見込まれている。
さらに、世界的なIT関連需要の拡大が続き、国内企業の輸出や生産活動が押し上げられることも期待できる。IT関連需要の動きについては、以前より半導体のいわゆる「シリコン・サイクル」が指摘されている。世界半導体売上高(3カ月移動平均)は、足元で増加基調にあるが、これをもとに季節性、トレンドを除き、周期をみると、ピークからピークでみた周期は5年程度となっており、23年にかけて堅調な推移が続くことが十分に考えられる。



