半導体関連は増加トレンド
日本景気上振れの可能性

 世界半導体売上高は増加トレンドが強まっている。売上高の可変トレンドを抽出してみると、トレンドの増勢が強まっており、基調としての需要の強さを示唆している。第5世代移動通信(5G)の普及の本格化、人工知能(AI)の普及、デジタルトランスインフォメーション(DX)化などに対応するための通信インフラの拡充、自動車の電装化などで、長期的に需要が強い局面が続く可能性がある。

 こうした状況の下、半導体メーカーは設備投資を拡充している。世界半導体製造装置の販売額は増加基調にあり、2010年代の後半以降は、製造装置の販売額のトレンドの増勢も強まっている(図2)。
 
 世界半導体製造装置の販売額をもとに、周期解析を行うと、周期3-4年の短期の波のほか、より強い周期15年程度の中長期の波が確認できる。これは、半導体メーカーの設備投資サイクルを示しているといえるが、足元で上昇局面となっており(図2)、半導体メーカーの設備投資も堅調な推移が続くとみられる。

 ウクライナ危機の激化、深刻化の懸念は根強く残るものの、膠着状態が変わらず、資源・穀物価格は、高水準ながらの一段の上昇に歯止めがかかる状況が続くことになれば、国内景気への下押し圧力は緩和してくる。

 一方で、世界経済の回復と、世界的な半導体関連需要の拡大は、続くことが見込まれる。とくに、半導体関連需要は、半導体メーカー設備投資などの派生需要も含め長期的に強めの推移が期待できるといえる。景気底割れへの警戒の一方、景気上振れの可能性にも留意が必要といえよう。

(三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所 副所長 鹿野達史)

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