「悪い円安」でも日本景気の先行きは堅調?円安メリット・デメリットの分岐点販売価格である産出価格と、コストにあたる投入価格の比率である交易条件が悪化していなければ、円安によるコスト増を販売価格に転嫁できているといえる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

指摘される「悪い円安」
問題は価格転嫁力

 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始し、量的引き締めとされる資産圧縮を5月にも始めることが予想される中、ドル高・円安が進行している。円は、対ドルで一時1ドル=125円台まで下落した。速いピッチで円安が進行したことで、最近では、円安の日本経済に対するマイナスの影響が指摘されている。

 円安が進むと、円建てでみた輸入品の価格が上昇し、海外への支払いが増える。また、企業にとってはコスト増となり、企業収益が圧迫されることになる。企業は、コストの増加分を販売価格に上乗せできれば、収益の悪化を回避できることになる。

 つまり、販売価格である産出価格と、コストにあたる投入価格の比率である交易条件が悪化していなければ、円安によるコスト増を販売価格に転嫁できているといえる。