景気判断が「改善」に異例の上方修正、パンドラの箱を開けた内閣府Photo:PIXTA

景気動向指数の基調判断
改訂値で「改善」に上方修正

 3月の鉱工業生産は2カ月連続の上昇となり、来月発表の3月の景気動向指数(CI、一致)も2カ月連続で上昇する見込みだ。そして、景気動向指数の基調判断は、2月の景気動向指数の改訂値が発表された4月25日に「改善」へと異例の上方修正がなされている。

 景気動向指数の基調判断が、改訂値によって見直されたのは驚きだ。というのも、これまで、景気動向指数の基調判断は速報値だけで発表され、改訂値で見直すと速報段階と異なる判断が出てくるような場合であっても判断が見直されることはなかった。改訂値で判断を見直すということになると、その後の判断にも影響が出てくる。

 例えば、従来のパターンだと、2月の判断は4月7日に公表された速報値の「足踏み」のままであり、今後、3月の景気動向指数が低下していた場合には、「改善」に上方修正されないことになる。しかし、2月の改訂値で「改善」になっているのであれば、3月の景気動向指数が低下したとしても、2月の「改善」の判断は維持される。