段ボールに入った野菜写真はイメージです Photo:PIXTA

中国屈指の大都市・上海のロックダウンが約2カ月続いている。商店はシャッターを下ろし、配送業者たちも街を走れず、住民は自分が住む団地の外に出られない状況下で、みな日々の食料をどのように調達しているのだろうか? 筆者は最近その答えを知った。どこからともなく「団購」なる習慣が自然発生していたのだ。(フリーライター ふるまいよしこ)

実質2カ月を超えた、上海のロックダウン

 新型コロナ対策と銘打って、上海で団地封鎖が最初に行われたのが3月3日。それから数えて2カ月を超えた。また、4月1日から市の半分だけのはずだった封鎖が突然、全面ロックダウンになってから、すでに1カ月半が過ぎた。

 それでも政府はいまだに「封城」(都市ロックダウン)という言葉を使わない。だが、2500万もの人たちが暮らす国内随一の経済都市の動きを完全に止めて、新型コロナウイルスを文字通り「しらみつぶし」にしてしまおうなんて、一体どこの誰が考えついたのか。そしてそれを本当に実行してしまうなんて……意思決定の過程で、そこに暮らす人たちへ一瞬でも想像をはせたことがあったのだろうか、と言いたくなる。

 まさか明日突然、「封鎖終わーり!」と号令をかければ、何事もなかったようにまた以前の続きの生活が再開するとでも思っているのだろうか。小説ならそれでうまくいくかもしれないけれど、現実はそんなに甘くない。実際に批判の声を上げた著名SFミステリ作家の郝景芳さんまでSNSでの発言禁止処分にあうのだから、もうなにがなんやら分からない。中国では本当に「事実は小説より奇なり」なのである。