コメダ珈琲Photo:Diamond

筆者の新刊『見るだけで「儲かるビジネスモデル」までわかる 決算書の比較図鑑』では、ひと目で会社の儲けの構造やビジネスモデルの違いが分かるように、さまざまな会社の決算書を図解して比較している。今回は、カフェ・レストランを運営するドトール・日レスホールディングス、サンマルクホールディングスとコメダホールディングスの決算書から、各社のビジネスモデルの違いとコロナ禍で生まれた業績の明暗について解説していこう。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)

コロナ禍で営業赤字でも
実質無借金経営のドトール

 今回は、ドトール・日レスホールディングス(ドトール・日レスHD)、サンマルクホールディングス(サンマルクHD)、そしてコメダホールディングス(コメダHD)の決算書を比較していこう。

 3社とも2020年度決算ではコロナ禍の影響を受けて減収減益となったが、その影響には大きな差があった。こうした差を生み出した各社のビジネスモデルの違いを、実際の決算書から読み解いてみたい。

 それでは、ドトール・日レスHDの決算書から見ていこう。

 ドトール・日レスHDの貸借対照表(B/S)で特徴的な点は二つある。一つは資産に占める有形固定資産の割合が大きいこと、そしてもう一つは負債依存度が低く純資産の割合が大きいことだ。