欧州中央銀行(ECB)が向こう3カ月に2回利上げすると確約するのは異例なことだ。タカ派は初の祝杯を挙げているかもしれないが、それは気が早い。ECBは9日、7月に0.25ポイント利上げし、9月にも追加利上げする方針を示した。それが0.25ポイントになるか、それ以上になるかは、インフレに鈍化の兆しが表れるかどうか次第だとしている。ECBは債券購入プログラムが終了するまで利上げしないことを約束しているため、7月の利上げ幅は想定通りにする考えだ。クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は、7月に大幅利上げに踏み切って市場を驚かせることを避ける理由について、そう説明した。ユーロ圏のインフレ率が5月に8.1%と過去最高に達したことが、ECB当局者の背中を押したようだ。今回公表した経済見通しでは、今年のインフレ率予測を3月時点の5.1%から6.8%に上方修正した。
ECBの利上げ予告、タカ派には「ぬか喜び」に?
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