米小売りチェーン大手ウォルマートは1996年、香港に隣接する中国・深圳に初出店した。それ以来、正しい戦略を見いだそうと試行錯誤を重ねている。ウォルマートは中国で成長してきたが、競合他社と比べるとそのペースは遅い。同社は当初、大型スーパーマーケットによって中国の小売業界でリーダーになることを期待したが、何年も中国勢に対して苦戦を強いられている。近年は米中両国の議員から圧力を受けてもいる。両国間の緊張が高まっているためだ。ウォルマートは数年前、規制当局との関係改善を目指して中国事業の少数株式売却を模索した。だが現在、中国戦略を見直しつつある。ウォルマートの経験は、国家主導を強め、景気が減速する中国で、同社のような巨大企業のリソースをもってしても欧米企業が成功することの困難さを浮き彫りにしている。