――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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中国は今春の景気低迷を克服しつつある。上海や北京など大都市で経済活動が本格再開に向かっており、財政刺激策の効果も波及してきたためだ。とはいえ、7-9月期に力強い回復を遂げるには至らないだろう。
まず歓迎すべきニュースから。15日に公表された5月の経済指標は、中国の底力を示す二つの兆候がみられた。上海のロックダウン(都市封鎖)による打撃を和らげるかもしれない。HSBCによると、一つ目は、インフラ投資が前年同月比7.3%増と明確な拡大を示したことだ。4月はわずか2.8%増にとどまっていた。
これは、過去6週間に地方政府による起債の急増を示した万得信息技術(ウインド)のデータとも一致する。インフラ投資は6月にさらに加速する可能性がある。