筆者は、吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めています。私はこれまで数多くの調査を取り扱ってきました。依頼内容のほとんどが浮気や不貞の調査です。たまに、別の種類の調査依頼が来ることがありますが、その多くは人捜しです。珍しいところでは、子どもが学校でいじめられていないか調査してほしいという相談や、逃げたイヌやネコを捜してほしいという相談もありますが、基本的には一度の調査依頼で終わります。しかし十数年の探偵人生で、前回紹介した不貞調査以外で何度も依頼してくる方がいるのです。世の中には彼のように、人生において探偵に調査を頼むほどの問題が多発する人もいることを、守秘義務の範囲内でご紹介します。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人物はすべて仮名)
結婚を考えている女性の
父と兄が反社?
浦部さん(40歳)と初めて会ったのは8年ほど前です。当時32歳で玉木宏さん似の端正な顔立ちで、高級ブランドのスーツを着こなす、文句なしのイケメンでした。話してみると穏やかかつ真面目な性格で、中身もイケメンだなと思いました。東京都内で数店舗のバーや居酒屋を経営していた浦部さんは、その後奥さまになる、さくらさんと結婚するかどうかを婚約予定日の2週間前まで迷っていました。
当時26歳のさくらさんは、柴咲コウさん似で、超美人の上、性格も明るく料理も上手で、浦部さんは結婚するならこの人以外は考えられないと思っていました。しかし、さくらさんとの会話の中から、彼女の父親と兄が反社会的勢力に属しているのではないか、と推測される内容が散見されたため、結婚に迷いが生じたそうです。