米国債市場が、経済の先行きに再び警戒信号を発している。米市場では5日午後の取引で、2年債と10年債の利回りが一時逆転。10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールドが発生した。この現象は景気後退の前兆となるケースが多いため、市場参加者は重要なシグナルとして注目している。逆イールドが起きるのは今年2回目で、4月初めにも2年債と10年債の利回りが逆転したが、ごく短期間で解消した。今回の逆イールドがいつまで続き、どこまでマイナス幅が拡大するかは未知数だ。足元では景気の先行きを巡る懸念が強まっている。インフレ高進を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が極めて積極的な行動を取らざるを得なくなったほか、新型コロナウイルス流行やウクライナ情勢に起因する供給ショックが続いており、市場関係者の間では景気が悪化しつつあるとの認識が高まっている。一方、アトランタ地区連銀の国内総生産(GDP)予測モデル「GDPナウ」は、4-6月期に成長率がマイナス2.1%になると予想。1-3月期の実績はマイナス1.6%だった。原油価格も下げに転じており、需要が縮小するとの見方を織り込んでいる可能性がある。
米国債市場の不吉なシグナル、逆イールド再び
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