単一通貨ユーロが誕生初期以来初めて対ドルでパリティ(1ユーロ=1ドルの等価)に向かっている。市場はそれ以上にユーロが売られる展開も視野に入れ始めた。足元のユーロ安は、ユーロ圏のインフレ加速に拍車をかけ、新型コロナウイルス禍を受けて導入した刺激策の解除に動く欧州中央銀行(ECB)の金融政策運営をさらに難しくしそうだ。米国の投資家やユーロ圏で事業を展開する米企業にとっても、大きな影響を及ぼす。ドル建てに換算した際の利益が目減りするためだ。8日の外国為替市場で、ユーロは一時パリティ目前となる1.0099ドルに下落。その後は1.0188ドルまで持ち直した。前日は2002年12月以来の安値となる1.0162ドルで終えていた。