6月に東京郊外で開かれた選挙集会で、最初に登壇した来賓は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の姉妹組織の要人だった。旧統一教会は日本の軍事力強化と中国共産党への対抗を主張している。次に聴衆の前に姿を見せたのは、旧統一教会のこうした考え方を共有するもう一人の要人、安倍晋三元首相だった。その約1カ月後、安倍氏は凶弾に倒れた。警察によると、容疑者の男はある「宗教団体」に恨みを抱いていた。6月の選挙集会は、参議院選挙に出馬していた安倍氏の元側近を支援する目的で行われていた。そこからは日本の政治家と宗教団体の深いつながりが垣間見える。双方は共通目標の実現と組織票の動員を狙って足並みをそろえることが多い。