インフレが苦痛な理由はたくさんあるが、その中で特に重要なのは、インフレは大抵金利の上昇を意味する、というものだ。だがこの1年間は、米国のインフレ率が7ポイント上昇する一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を1.5ポイントしか引き上げておらず、10年物の米国債利回りは1.9ポイントの上昇にとどまる。こうした差は投資家のある考えを反映している。それは、インフレ率は数年もすれば、あまり痛みをもたらすこともなくFRBの目標水準である2%前後まで下がり、金利は新型コロナウイルス禍前に見られた超低水準に戻ることができる、という考えだ。インフレ率が高止まりし、金利のさらなる上昇が避けられない場合はどうなるのだろうか。歴史的な低金利が続くとの想定の下、資産価値や民間・公的債務が増えている経済にとって、これは問題である。
米インフレによる高金利の痛み、まだ序章
実質金利が大幅に上昇すれば株価・住宅価格・連邦財政赤字はどうなるのか
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