多くの世界的自動車メーカーにとって、第2四半期は特に好調な3カ月だった。しかし今後は多くの減速要因が待ち構えており、投資家の称賛は長くは続かないかもしれない。先日決算を発表したフォード、フォルクスワーゲン(VW)、メルセデスベンツ、ステランティス、さらに出遅れていたルノーはいずれも好決算だった。テスラとゼネラル・モーターズ(GM)は第2四半期の生産関連の問題が過剰反応を招き、市場のトーンは悲観的になっていたが、実際はそうではなかった。28日の株式市場ではフォードが6%高となり、決算発表後の上昇率としては自動車メーカーの中で最も大きかった。VWは上期の営業利益が128億ユーロ(約1兆7400億円)と、上期として過去最高を記録。これら自動車メーカーの中で最も多くの利益を計上した。同社は最高経営責任者(CEO)のヘルベルト・ディース氏を解任したが、多くの人の不興を買ったためで、業績悪化が理由ではない。ステランティスの上期の営業利益も103億ユーロと好調だった。デトロイトにあるクライスラー部門の調整後営業利益率は18.1%と極めて高く、GMやフォードが怠け者に見える。