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インキュベーションの虚と実

起業家教育の旗手スティーブ・ブランク氏に学ぶ
シリコンバレーの経験を集約した経営・教育ツール

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第19回】 2013年1月21日
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1万社を創造する
スタートアップの民主化

 また、ブランク氏は、こうしたスタートアップのための経営ツールの普及活動について話してくれた。

*  *

 シリコンバレーだけでなく、この理論は世界のどこでも教え実践できるはず。起業の民主化だ。カリフォルニア大学バークレー校やスタンフォード大学、コロンビア大学、そして国立科学財団で教えられているプログラム「リーン・ローンチパッド」を公開する。Udacityから無料でオンラインの教材を公開している。そして、最大の起業家教育組織であるスタートアップ・ウイークエンドと組んで、「スタートアップウイークエンド・ネクスト」としてリアルの教育を大規模に展開する計画だ(参考:ブランク氏のブログ邦訳 )。Startup AmericaやTechStarsなどとも連携し、数多くのコーチ、メンターに加わっていただく。

 3週間のプログラムに仕上げ、すでに25のスタートアップ・チームを教えたが、2013年の第一四半期に125チームを教える予定。2013年内に100カ所に広げる。デイブ・マクルーアらの500 Startupsというアクセラレーターがあるが、我々はこの2、3年で500じゃなく1万社のスタートアップを創造するつもりだ。

*  *

 日本では「アントレプレナーの教科書」と「スタートアップ・マニュアル」の翻訳を手がけた堤孝志氏・飯野将人氏が、スティーブ・ブランク氏の支援を受けて顧客開発モデルに関する啓蒙活動を行っている。

 昨年秋に法政大学ビジネススクールで「リーン・ローンチパッド」を開催するなど、日本での実践的プログラムの展開に取り組んでいる(参考:Learning Entrepreneur's Lab

プロダクト・マーケット・フィットをつくる
バリュープロポジション・キャンバス

 リーンスタートアップ・コンファレンスでは、ブランク氏のプレゼン中に、サプライズの飛び入りで「Business Model Generation」共著者アレックス・オスターワルダー(Alexander Osterwalder)氏から新作ツール「バリュープロポジション・キャンバス」が紹介された。オスターワルダー氏は次のように説明してくれた。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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