値上げラッシュの日本で
ドミノ・ピザはなぜ、値下げを連発?
ドミノ・ピザが先週末、「デリバリーLサイズピザを買うとMサイズピザ2枚無料! リベンジ」というキャンペーンを4日間限定で行いました。「リベンジ」と明記されている通り、これは、一度失敗したキャンペーンへのリベンジでした。今年の6月下旬からの10日間、ドミノ・ピザは同じキャンペーンを実施していましたが、途中で一部店舗で「これ以上注文を受けられない」という状況に陥ってしまったのです。
さらにドミノ・ピザはこの8月、挑戦的な値下げキャンペーンを実施します。
「日本応援プロジェクト」として、看板メニューであるドミノ・デラックスMサイズ(通常税込み1990円)を、21日までの期間限定でお持ち帰りに限り、3分の1以下の「600円(税込み)」で提供する新たなキャンペーンを始めました。
そもそも今、日本は値上げラッシュのさなかです。ロシアのウクライナ侵攻で原油価格が上がりガソリン代も高騰中、また小麦不足が危惧されることから小麦の国際価格も上昇しています。
小麦粉を焼いて従業員がスクーターで届けるドミノ・ピザは、原材料費と経費の急上昇の危機にあるのです。それにもかかわらず、なぜ大幅な値下げキャンペーンに踏み込むのでしょうか。経営戦略の定石の観点から解説したいと思います。