ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ホンジュラスってどんな国?」2分で学ぶ国際社会中央アメリカ

ホンジュラスってどんな国?

 ホンジュラスはカリブ海に面する中央アメリカの国です。グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアと国境を接します。

 低地には熱帯雨林が広がり、内陸部の高原は常春の過ごしやすい気候です。

 コパンのマヤ遺跡とリオ・プラタノ生物圏保護区という2つの世界遺産、カリブ海のビーチ、豊かな食文化など、ホンジュラスは魅力的な国です。

「ホンジュラスってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

世界で最も危険な国

 ホンジュラスは犯罪が多く、「世界でも最も危険な国」といわれています。

 2009年に発生したクーデターで政治は混乱して治安は悪化してしまいました。これに加えてハリケーンなどの自然災害が頻発しており経済も混乱、最も厳しい現実に向き合っている国です。

コーヒーとバナナが世界有数の生産量

 この国の産業はコーヒーとバナナです。コーヒーは世界有数の生産量を誇っています。火山性の豊かな土壌と、標高が高品質のコーヒーの生産に適しているのです。

 バナナの生産も世界有数です。19世紀末アメリカ合衆国資本がこの地でプランテーションを始めました。バナナのプランテーションは急速に発展し、「バナナ共和国」といわれるようになりました。

「バナナ共和国」とは、アメリカの巨大資本がプランテーションを建設して、その資金力を背景にその国の政治を支配したことに由来しています。こうした経済構造を改善するために観光業などの育成を図っています。

「ホンジュラスってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ホンジュラス

面積:11.2万㎢ 首都:テグシガルパ
人口:934.6万 通貨:レンピーラ
言語:スペイン語(公用語)、ガリフナ語、英語など
宗教:カトリック46%、プロテスタント41%
隣接:グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)