ジャンクローン市場に痛みが広がっている。金利上昇で多額の債務を抱える企業が苦境に追い込まれ、景気減速に伴い信用収縮懸念が高まっている。フィッチ・レーティングスによると、レバレッジドローン(低格付け企業などへの融資)のデフォルト(債務不履行)額は8月に60億ドル(約8560億円)に達した。月間としては、新型コロナウイルス流行で米経済が打撃を受けていた2020年10月以来の高水準となった。もっとも、市場規模はこの10年で約1兆5000億ドルに倍増しており、この額は雀の涙にすぎない。それでも、デフォルトが今後増えることへの懸念が広がっている。ローンの利息は、米連邦準備制度理事会(FRB)が設定する基準金利に連動する。FRBが利上げをすればするほど、金利がゼロ近辺だった頃に比べ返済負担が重くなる。
ジャンク市場に広がる不安、デフォルト増加の兆候
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