国際原子力機関(IAEA)は6日、ロシアが占拠するウクライナのザポロジエ原子力発電所に関する報告書を公表し、施設の損傷が確認されたと指摘した。さらに、内部で働く職員は強いストレスにさらされているとして警告した。ウクライナ国内の核関連施設を取り巻く状況を巡っては、国連安全保障理事会が議論を行う予定となっている。IAEA調査団は先週、ザポロジエ原発を訪れた。ザポロジエを含むウクライナ国内4カ所の原発についてIAEAは報告書で、放射線量は通常通りであり、原子炉6基があるザポロジエ原発から核物質が持ち出された形跡はないとした。ただ、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、戦闘の前線に近いザポロジエ原発について懸念を表明し、リスクを減らすために原発周辺にできるだけ早く安全区域を設定することが必要と訴えた。