インド南西部の小高い山に34基のタービンを設置したトゥッパダハリ風力発電所は、環境に優しいエネルギーを産出し、同時に利益も生み出している。スペインのインフラ複合企業アクシオナは、インド国内に同発電所を含めた4カ所の風力発電所を所有し、昨年は再生可能エネルギー部門の新規株式公開(IPO)も実施した。トゥッパダハリ風力発電所の業績は非常に好調で、インドの格付け会社は、強力なキャッシュポジションや負債の少なさ、エネルギー販売の長期契約があることを理由に格付けを引き上げた。だが、国連が21年前に立ち上げたプログラムの基準では、トゥッパダハリ風力発電所は、まだ事業継続のための定期的な資金注入が必要な初期段階の新興企業とみなされている。それはすなわち「自主的な炭素排出枠(クレジット)」市場の恩恵を受けられることを意味する。この大規模かつ成長中の世界市場は、企業が自社の温室効果ガス排出量を、世界の他の場所で行われる緩和プロジェクトへの資金提供によって相殺(オフセット)できるようにするものだ。
排出枠買いあさる大企業、炭素削減効果なくても
新しい炭素イニシアチブに資金が流れにくくなっているとの批判も
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