今夏の映画シーズンは話題作が目白押しで華々しいスタートを切った。ところが、締めくくりとなるレーバーデーの連休を待たず、早々にヒット作が枯渇したことで、閑散ムードで幕を閉じた。米調査会社コムスコアによると、5月最初の金曜日から9月5日月曜日のレーバーデーまでの北米におけるハリウッド映画作品の興行収入は34億3000万ドル(約4900億円)だった。これは新型コロナウイルス流行前にあたる2019年夏の水準からは21%減だ。2005~19年の平均も19%下回り、2001年(33億4000万ドル)以来の水準に落ち込んだ。コムスコアによると、夏の映画シーズンは通常、年間興行収入の約4割をたたき出す。コムスコアでは、単純に作品が不足しているのが不振の要因だと指摘している。映画業界ではなおコロナ禍の影響が残っており、数百本の作品で制作が遅れている。そのため、配給会社も劇場公開日の調整に追われているという。業界関係者が明らかにした。コムスコアが「大型リリース」と定義する2000余りの映画館で上映される作品は今夏22本にとどまった。これに対し、19年夏は42本だった。