ドルが一世代に一度の勢いで世界的な覇権を握りつつある。この11年間に実質実効ベースで40%上昇したことから、そろそろ下げるのではないかとの声も出始めている。短期的にはドルが下落してもおかしくはない。欧州諸国がエネルギー危機による経済的影響を和らげている上、米国以外の中央銀行が米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに急ピッチで追い付こうとしているためだ。9日の市場では楽観論が強まり、安全資産であるドルに逃避していたマネーが逆流したことから、ドルは下落した。ただ、過去の長期にわたるドル高あるいはドル安が、経済や金融政策のサイクルと足並みをそろえていなかったことは明白だ。今は何か他のことが起きている。今回のドルのメガサイクルの終着点を探るには、それが何かを考える必要がある。
ドルが強すぎる理由、米国の技術革新にあり
過去のドル高あるいはドル安のサイクルが、経済サイクルと足並みをそろえていなかったことは明白
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