ウクライナが先週末、北東部の領土を奪還したことで、ロシアの軍事目標に狂いが生じている。綿密に演出された侵攻に関するロシアのプロパガンダは崩壊しつつあり、ウラジーミル・プーチン露大統領は責任の所在と今後の対応について判断を下すよう迫られている。ロシアはウクライナ侵攻開始以降、挫折や失敗には目をつぶり、今回の作戦は順調に進展しているとの認識を一貫して示してきた。国営テレビでは、西側寄りのウクライナ政権を倒し、同国を再びロシアの勢力圏に引き入れるというプーチン氏の軍事目標に変わりはないとの論調が繰り返されてきた。ところが、制圧に数カ月を要したウクライナ北東部の拠点から撤退を余儀なくされたことで、ロシアの政治・軍事指導部は損失の大きさを吸収しきれずにいる。ロシア政治の専門家はこう分析している。
プーチン氏の計算違い、劣勢で狭まる選択肢
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