ひょっとすると米連邦準備制度理事会(FRB)は来週、75ベーシスポイント(bp)の追加利上げを思いとどまるかもしれない。そんな甘い期待は、13日にインフレデータが発表されるとたちまち吹き飛んだ。米労働省によると、8月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%、前年同月比では8.3%上昇した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエコノミスト調査では、前月比0.1%低下すると予想されていた。食品とエネルギーを除いたコアCPIの上昇率はこれより大幅で、前月比0.6%(前年同月比6.3%)と、同じくエコノミスト予想の0.3%を上回った。投資家の期待は裏切られた。ガソリン価格が下落し、小売業者は膨れ上がった在庫の処分を進めている。サプライチェーン(供給網)問題は緩和に向かい、運賃から中古車まであらゆるモノの値下がりが報告されていたことから、感触としては、8月のCPIはインフレ沈静化の傾向を示す内容になるはずだった。だが、そうした予想を裏切る発表を受け、ここまで3日続伸していた米国株は急落した。
インフレ鈍化は甘い夢か、米CPIで目覚めた市場
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