労働者に問う。マナーはどこへ行ってしまったのか。口汚くののしることが増え、あまり握手をしなくなり、ほとんど猶予なしに仕事を辞めたり、メールやテキストメッセージにしばらく返信しなかったりする。少なくとも、同僚や仕事仲間の間で「エチケット警察」を自任している者はそんな感覚を抱く。礼儀正しさは測定しづらいし、ある種の規範は時代に合わせてアップデートされてもよさそうなことは確かだ。だが筆者は、仕事の世界は不作法になるばかりだとまくし立てるビジネスパーソンからその手の話をよく聞く(これは悪態ではなく証言だ)。採用担当マネジャーは、就職希望者が(履歴書に添える)カバーレターを可能な限り省略する、面接の後に感謝の言葉が届くことがめったにない、採用が決まっても本当に姿を現すかどうか当てにならない、などと嘆いている。