政府が児童書の出版で関係者を処罰したりすれば、ジョージ・オーウェルが描いた監視社会になったことが分かるだろう。香港の言語療法士組合の幹部5人が先週、扇動的謀略で有罪判決を受けことで、中国政府寄りの当局者らが香港をこうした状況に追いやったことが示された。郭偉健(クオック・ワイ・キン)判事は、オオカミに脅された羊の物語を描いた3冊の本を出版し広めたとして、5人に有罪判決を下した。香港のオオカミのような指導者たちは、この3冊の本が政府に対する「憎悪や軽蔑」をあおったり、「不満を刺激したりする」ことを意図したものだと主張した。5人は禁錮1年7カ月を言い渡された。同判事は、2019年に何百万人もの香港市民が自由と法の支配を守るために抗議行動に行ったことに言及した。中国共産党は、反体制の意見表明を犯罪とみなす国家安全維持法の導入でこれに対応した。香港政府にとっての政治的敵対勢力のほぼすべてが、現在投獄されているか亡命中だ。