ロシア軍が2月下旬にウクライナ北東部のハリコフ州に侵攻した際、町を占領したロシア兵たちは地元住民に対し永続的な駐留を約束していた。ところが、ウクライナ軍は今月、ロシア軍をこの地域の大半から撃退し、ほんの数日で約9000平方キロメートルの領土を奪還した。電光石火の進軍を受けて、ロシア軍は撤退を急ぎ、親ロシア派のウクライナ人たちは国境を越えてロシアに逃れ、ロシア市民はウクライナが国境沿いの領土を奪還したことに困惑している。この撤退は、ロシア軍が開戦後間もなくウクライナの首都キーウの攻略に失敗して以来、最大の敗北の一つだ。戦争が7カ月目に入る中、ロシア政府は政治的・軍事的に厳しい課題に直面している。ロシアは数週間にわたる動きの鈍い攻勢で、人命と物資を費やして領土を占領してきたが、ウクライナ侵攻以降に奪った領土の10%以上を数日のうちに失った。