11月の米中間選挙があと数週間後に迫った。連邦最高裁判所が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた過去の判決を覆したことで、現在与野党の勢力がきっ抗する上院では民主党が主導権を維持する確率が高まったと言われている。だが、専門家らは共和党にも五分五分で過半数奪還のチャンスがあるとみている。13日にニューハンプシャー州が予備選を終え、民主・共和両党の上院候補者が出そろった。上院は現在、民主と共和が50議席ずつを握っている。今回の中間選挙では全体の約3分の1(共和党21、民主14)が改選される。アリゾナ、ジョージア、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシンなど十数州が激戦となる見通しだ。中間選挙はジョー・バイデン大統領の就任当初2年間の信任投票だと位置づけられ、その結果は立法や大統領の任命人事に大きな影響をもたらす。有権者が高い関心を寄せているテーマには、中絶の権利のほか、物価高をはじめとする経済全般の問題、犯罪増加への懸念が含まれる。さらにドナルド・トランプ前大統領が後押しする候補者が当選するのか、また「トランプ印」の共和党に対してどの程度の支持が集まるのかを見極める試金石にもなりそうだ。
米中間選挙迫る 上院の争点は「中絶・経済」
上院の主導権争いは激戦
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