中国のオンライン小売企業シーイン(SHEIN)が、世界のファストファッション業界をけん引している。同社は米国での売り上げ急増を背景に同国での拠点を強化する計画だ。シーインの米国事業担当プレジデントのジョージ・シャオ氏は、米国で大型の配送センター3つを建設する予定だとし、それによって米顧客に商品が届くまでの日数が3~4日短縮される可能性があると語った。向こう数年間に雇用も大量に増やすとしている。非上場のシーインは売上高を公表していない。創業10年の同社は今年に入って行われた資金調達ラウンドで評価額1000億ドル(約14兆3300億円)とされた。ロンドンのクレディ・スイスで小売業界担当アナリストを務めるサイモン・アーウィン氏は、シーインの昨年の売上高が約160億ドルだったと推定している。一方、ファストファッション大手ZARA(ザラ)の2022年1月期の純売上高は196億ユーロ(約2兆8000億円)だった。親会社インディテックスは先週、7月までの半年間のザラの売上高が29%増の109億ユーロだったと明らかにした。