4年前、ディラン・フィールド氏はサンフランシスコ市内の薄汚れたミッション地区にあるワンベッドルームのアパートに住み、通勤途中に1杯1ドルのコーヒーを買う生活を送っていた。  フィールド氏は無名で、内気な人間だった。市内のベンチャーキャピタル企業が開く交流会では、きまり悪そうに飲み物をちびちび飲みながら、一人で立っていることが多かった。  今月15日、フィールド氏のデザインソフトウエア会社フィグマは同業のアドビに200億ドル(約2兆8500億円)で自社を売却することで合意した。30歳のフィールド氏は突如としてテクノロジー業界でもっとも話題に上る人物の一人になった。