ジェローム・パウエル議長率いる米連邦準備制度理事会(FRB)は、金融引き締めによってリセッション(景気後退)を引き起こし、株式相場を暴落させようとしている最中なのかもしれない。これはファンドマネジャーのマーク・スピッツナーゲル氏が想定するシナリオの一つだ。同氏は実際には、FRBが近いうちに利上げをためらうようになると考えている。いずれかの結末に明確に賭けているわけではないが、より悲惨な結末となれば、同氏の名前が再びメディアで大きく取り上げられそうだ。スピッツナーゲル氏が運営するユニバーサ・インベストメンツは、前回の米景気後退局面(2020年)にわずか数週間で4000%という驚異的なリターンを上げた。それより前の金融危機の際(2008年)には、株価が半値に落ち込む中でも顧客資金を2倍超に増やした。これら二つの景気後退の間に「フラッシュ・クラッシュ(米国株の瞬間暴落)」が起きた際(2015年)には、ユニバーサは1日で10億ドルを稼ぎ出した。