ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ここにきてウクライナ侵略戦争をエスカレートさせる動きに出たことは、ロシアの強さを示すものではない。プーチン氏が21日に発表した予備役動員と、新たに示した核兵器使用の脅しは、ロシア国内の強硬派から成る批判勢力を当分の間なだめる上で役立つかもしれない。しかしそれによって、ウクライナの攻勢を止めることはできない。また、それによって西側諸国によるウクライナ軍への軍事支援加速が妨げられることがあってはならない。プーチン氏は「部分的動員」と表現された対応策を発表した。これによって最大30万人の予備役が動員される可能性があり、この数字は非常に大きいもののように聞こえる。しかしこの動員は、ロシア政府によるウクライナ侵攻作戦が失敗しつつあることや、現在の兵力が消耗し、不十分になっていると認めたことも意味する。