2月1日の狙い目入試

 2月の入試は、受験者数が多い学校に絞って見ていこう。これは全体的に言えることだが、大学の付属校で高倍率の入試は緩和傾向にあるものが多い。早慶はともかくMARCHでは、いわゆる進学校からでも十分な合格実績が得られる傾向が年々強まっており、志望大学も選べる。少子化を背景に、大学入試は易化していく。中学の段階から、10年間のエスカレーターに乗ることの魅力が薄れてきていることもその背景にはありそうだ。

 1日午前の男子難関校では、2022年の受験者数555人の駒場東邦が1割減で、実倍率1.9倍からの緩和が見込まれる。これは狙い目入試と言っていい。ただ、図形問題が必須のため、小4からその準備をしなければいけない点が大きなネックとなっている。662人受験の早稲田(1回)も同様で、2倍台半ばまで緩和するかもしれない。575人受験の慶應義塾普通部は2割半弱減っており、2.8倍から大幅に緩和する可能性もある。

 上位・中堅男子校では、334人受験の世田谷学園(1回)が3割減で3倍割れ、333人受験の巣鴨(1回)は2割減で、288人受験の高輪(A)と共に2倍強程度まで緩和しそうな状況にある。世田谷学園の場合、東京都市大学付属が1日午前入試に参入することの影響を一番受けやすい点も指摘できそうだ。

 大学付属の共学校では、308人受験と人気の早稲田実業が女子同様緩和傾向にあり、3倍割れもありうる。中央大学附属(1回)も同様で、実倍率4.1倍の法政大学(1回)も3割弱減で3倍程度まで、同3.8倍の日本大学(A1回)も3倍割れまで、それぞれ緩和しそうな勢いにある。実倍率6.1倍と高い東洋大学京北(1回)も5倍程度になるかもしれない。

 1割強減の中央大学横浜(1回)は2倍台半ばまで、2割減の日本大学第二(1回)と3割減の日本大学藤沢(1回)はいずれも2倍台強まで緩和しそうな情勢にある。5割強減の日本大学第一(4科1回)、4割半減の創価、3割減の日本工業大学駒場(1回)、2割弱減の東海大学相模(A)は、いずれも1倍台まで緩和しそうで、大変に狙い目入試となりそうだ。

 神奈川の共学校では、公文国際学園(A)が1倍台半ば弱まで、桐蔭中等教育学校(1回午前)は2割強減で2倍強まで、2割半減の森村学園(1回)は2倍割れもありうる。神奈川の学校は総じて二番手化が進行しており、午前は東京の入試というパターンが見られるようになってきている。

 1日午後では、685人が受験した大人気の獨協(2回)が1割強減らしており、実倍率3.0倍から2倍台後半まで緩和するかもしれない。270人受験の日本大学(A2回)と199人受験の安田学園(先進特待2回)は2倍台半ば弱程度へ、187人受験の鎌倉学園(算数)と130人受験の多摩大学目黒(特待・特進1回)は、いずれも2倍割れしそうな情勢だ。

 実倍率4.8倍の開智日本橋(特待)は3割減、同6.2倍の広尾学園小石川(2回)は5割半減で、いずれも3倍台半ば弱まで大きく緩和する予想で、ここでも3倍の壁に近づく動きが見られそうだ。