「超富裕層」と「富裕層」の差とは何か、「会話の主語」で分かる明白な違い写真はイメージです Photo:PIXTA

富裕層という言葉は近年、広く使われるようになりましたが、その内実は決して一様ではありません。執事として日常的に富裕層の方々にお仕えしていると、資産額以上に明確な違いがあることを実感します。

金融資産5億円以上の「超富裕層」と、1億円以上5億円未満の一般的な富裕層。いずれも経済的には恵まれていますが、日常会話や意思決定の場面を観察すると、違いがあるのです。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)

富裕層の本質は
会話に表れる

 超富裕層と一般の富裕層の違い、というと、多くの人は実績や成功体験、思想に注目しがちです。しかし、執事として長年、富裕層を近くで見てきた私は、そうした違いは日常的な会話の中に表れていると感じます。

 それは、会話が誰を中心に回っているのか、という点です。

 英語で考えると明快になります。会話の主語がIに偏っているのか、それともYouが多いのか。この違いは、単なる話し方の癖ではなく、その人の心理状態や欲求段階を反映します。

 マズローの欲求5段階説では、人の行動動機は生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求へと高次化すると整理されます。

 金融資産5億円未満の富裕層は多くの場合、社会的欲求や承認欲求が行動の軸に残ります。経済的な不安は小さくなっている一方、評価、立場、正しさへの関心はなお意思決定に影響します。

 この段階では、会話の主語が自然と自分に戻りやすくなります。