ドイツ政府が21日にエネルギー会社ユニパーの国有化を発表したことで、かつては平穏だった欧州の電力業界が、ロシアとの新たな冷戦に端を発する激震に揺れていることが浮き彫りとなった。この業界への投資は大きく変わろうとしている。ドイツ政府はユニパーに80億ユーロ(約1兆1400億円)を注入し、新株を1株1.70ユーロで取得する。また、フィンランドの電力大手フォータムが保有するユニパーの過半数株も同額で買い取る。ドイツ政府がわずか2カ月前に発表した救済策では不十分なことが判明し、出資額が引き上げられた。今回の動きは2008年の金融危機とよく似ている点がある。米リーマン・ブラザーズは銀行なのに救済されなかったが、ユニパーも同じように「大き過ぎてつぶせない」企業であり、ドイツの政府当局者らは追加の救済策を示唆している。