米国の「サンベルト」と呼ばれる気候が温暖な南部と南西部地域で今、最も注目の商品(コモディティー)は石油でも銅でも金でもない。土地だ。牧場主のロバート・トーマスさん(66)は、それをたくさん持っている。トーマスさん一家は、フロリダ州タンパの北東部に1万1000エーカー(約45平方キロメートル)の牧場用地を所有している。その多くは、新聞社のオーナーで鉱物探査事業を営んでいた祖父が、1932年に1エーカー当たり10セントで購入したものだ。その後、タンパ都市圏の人口は300万人以上に膨れ上がった。トーマスさん一家の牧場は現在、一戸建ての家屋が立ち並ぶ住宅地に囲まれている。土地に飢えた複数の住宅建設業者が、トーマスさんの土地の購入を申し出ている。不動産登記簿によると、一家は昨年、所有地の一部を開発業者に約7000万ドル(約101億円)で売却した。1エーカー当たり約2万ドルだ。トーマスさんによると、開発業者は現在、残りの土地の一部に対してその2倍以上の価格を提示している。
米国で宅地不足 地価上昇と住宅難に拍車
土地利用規制やインフラの不備で住宅用地が希少化
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