単一通貨ユーロは約20年前の誕生以降、債務危機から通貨同盟の崩壊を唱える政治家に至るまで、数え切れないほど存続の脅威と闘ってきた。  今夏には新たなリスクに直面していた。対ドルとパリティ(1ユーロ=1ドルの等価)を割り込んだことではない。ドイツの金融拠点フランクフルト市にあるユーロを象徴するオブジェが解体の危機にさらされていたのだ。このオブジェを保有する地元の非営利組織は、度重なる破壊行為で、メンテナンス費用が膨大に膨らんでいると説明していた。  ところが27日、地元の暗号資産(仮想通貨)スタートアップ企業カイズ・デベロップメントが救世主として急浮上した。