スイスの金融大手クレディ・スイス・グループは破滅のループに陥りかねない。投資家は新たな再建計画を待っているが、その間にも懸念が高まっている。経営陣は迅速に行動し、この悪循環を断ち切ることが必要だ。窮地に陥っているクレディ・スイスの株価は、3日午前の取引で約8%下落した。引き金となったとみられるのは、同行が週末に顧客や投資家を安心させようとして、すべて手は打ってあると説明したことだった。9月30日にクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが急拡大したにもかかわらずだ。クレディ・スイスだけでなく、今年になって業界全体が株価下落とCDSの価格上昇に見舞われているが、クレディ・スイスの状況は極めて厳しい。同行は、情報漏えい、業績予想の下方修正、増資に関する臆測という悪循環に陥っているようで、株価は年初来で半分以上下がり、簿価の5分の1程度になっている。